取扱業務関連情報
中国商標制度の概要
1.出願前調査
日本において少しでも知られている商標は、中国で第三者に出願されている場合も多く、出願前に調査(他人の先行商標と抵触しないか?普通名称等として独占性がないか?等)を行うのが妥当です。なお、日本では、一般に、称呼(発音)が共通又は似ていなければ同一又は類似とされない(最近日本でも称呼共通でも外観・観念で著しく異なる場合は、非類似とされるケースもみられますが。)のに対し、経験上、中国では、称呼(発音)が異なっていても、観念(意味)が共通又は似ていれば同一又は類似とされる場合も多いように思います。
2.出願
(1)手続で必要な点
①出願人の中国語の名称を作成する必要がございます。すでに現在ご使用のものがあれば統一して使用してください。
②代理人への委任状が必須です。願書と同時に提出する必要がありま。出願準備と併行して委任状を準備します。コピーを提出し、その後原本を提出することも可能です。
③管轄機関は、国務院の下部組織である国家工商行政管理総局の商標局です。なお、同総局には、商標評審委員会が設けられており、商標局の判断に対する不服等がここで審理されています。日本では、特許庁が商標出願、特許出願等産業財産権に関する全ての出願を担っているのに対し、中国では、商標出願以外は、国務院専利行政部門国家知識産権総局が担っています。
(2)指定商品/役務の記載・区分
中国では1つの出願に、複数の区分を含めることができるようになりました。また1つの区分内で、複数の商品やサービスを含めることができますが、商品・サービスが11個以上になると料金が増加しますのでご留意下さい。
(3)商標
日本と中国では漢字を使う点で同じですが、発音が異なるため、留意が必要です。流通させる際に「音」を重視する場合は、ローマ字又は中国の漢字(ピンインの発音)を調査・出願するのが望ましいです。
3.審査
方式審査と実体審査がなされます。なお、出願番号は、日本のように、出願と同時に付与されません。別途通知されます。
4.登録
商標が登録要件を満たした場合(拒絶理由がない場合)は、出願内容が公告され、第三者に異議申立て期間が3か月与えられます。特に異議申立てがされなければ登録されます。(当方経験上出願から約1年で公告されています。また公告期間をプラスすると約1年3,4ヵ月で登録になっているようです。)
5.存続期間
商標権の存続期間は、登録日から10年間です。
商標の登録は、10年ごとに何度でも更新することができます。
6.その他
中国の商標権の効力は、台湾、香港、マカオには及びません。これらの地域での権利化をご希望の場合は、別途、各管轄特許庁に出願して、権利化を図る必要がございます。
<免責事項>以上は、弊所のこれまでの経験、及び、2014年10月10日現在確認している事項です。具体的に中国制度を利用した出願をお考えの場合は最新の情報に接してください。上記情報をもとに手続きを行い損害が発生した場合でも、弊所は責任を負いません。ご了承ください。