浅草にある株式会社箱長さんで、桐のメイクボックス(同社HPでは「化粧カバン」とあります。)を買いました。横は約30センチ、縦・奥行ともに約20センチちょっとある大きさです。商品紹介はこちら。
当初私は、手入れのしやすい素材(プラスチック等)でできた、お手頃な値段のメイクボックスの購入を考えていたのですが、"道具を愛でる" という行為がしたくなって買ってみました。
「桐箪笥」というと、花嫁道具の代表格、日本の伝統的家具で、高価な一生もののイメージがあります。また、桐箪笥は、防湿・防虫等の機能に優れ機能的な側面もあります。それでも、現代人のインテリアや生活習慣に合わないのか、桐の本格的な家具は減っているように思います。桐の家具の良さを現代人に知ってもらうべく、小さな家具や雑貨等を製造販売し、桐の家具(のみならず伝統的工芸品)への興味の敷居を低くしてもらえるといいと思います。
今回購入したものは、そんな敷居の程よい低さの一例となりそうです。値段的には決して安いとは言えないのですが、高価な桐箪笥と比べれば手に届きます。平面の持ち手、正面の蓋を閉じる留め具、背面の蝶番は、プラスチックやステンレス等で出来ていて扱いやすいです。
伝統工芸品というと、あくまで私見ですが、施されている装飾や模様が、ちょっと古臭く、部屋には置きたくないものが多いのですが、この製品は、布(正絹の裂地や佐賀錦など)を使った装飾が、和風ながら、モダンで、とっても可愛いです。
この木目込みの装飾は、「桐木目込み細工」という技法を使用しているそうです。こちらに製造工程の説明があるのですが、「日本でただ一軒、当社が考案した技法です。」とあります。
木目込み細工という技法は「木目込み人形」等の言葉があるように、同社が考案した技法という訳ではないように思います。桐の家具に使用することが新しいのか、どの点が考案された技法なのか、私には解りません。しかし、桐の家具で、このように可愛い細工を行っている事業者さんは多くはないように思います。ここだけかもしれません。
ちなみに、実際に使っていると、桐のあたたかい感じはいいのですが、傷つきやすく手入れが多少難しいという感想をもちました。そんな感想を聞けば、事業者さんは技術の進歩という側面から、傷つきにくく、手入れが簡単な加工を施すという製品開発をされるかもしれません。しかし「手入れが難しければもっと大切に扱えばいい」という考え方もあります。それが「桐」というものだ、と。
ただ、下記のように、蓋が開閉する部分をとめるネジ部分は、桐の柔らかい材質のせいか緩んでしまいます。もう少しなんとかならないかな、と思った点でした。
WEBを調べていると、木製蝶番『ういっぷ』というものを開発している事業者さんがありました。この事業者さんのHPによれば「柔らかい桐には釘や鋲が使えず今迄の蝶番は使えません。そこで100%木製にこだわり、独自に開発した」等との説明があります。 私は実物を見ていないのでなんとも言えませんが、桐の素材を生かしつつ、どうしても使い勝手が悪いところは、新たな技術で改良していく、というのがいいと思いました。