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ブランドを育てる!

「商標を活かすためになすべき7つの基本 (価値向上編)」 その7


 【7】「約束がブレない」ように、商標を管理し活用する
  BLMが考える「商標を活かすためになすべき7つの基本 ―価値向上編―」


 単なる文字列、記号又は図形等にすぎない商標が、ブランドとして育ち財産的価値を有するに至った場合、事業者はその財産的価値の管理を行うと同時に、その価値を活用して、変わりゆく事業環境に適応していくことが必要です。 
 商標を活かすためになすべき7つ目の基本は、『「約束がブレない」ように、商標を管理し活用する』ということです。
 
 顧客の「信用」自体を象徴する商標からなるブランドは、高い財産的価値を有しています。企業価値を押し上げ、企業買収では高額なのれん代ともなり得ます。何より、事業者に持続的な競争優位をもたらします。既存商品等についてロイヤルティの高い顧客を獲得でき、流通チャネルのコントロールも支援します。更なる研究開発・製品開発への方向性も見えやすくします。かかる商標は、新たな商品・サービス又は事業等に拡張した場合も、既存の「信用」に後押しされ、流通経路の確保や顧客の認知も得やすいです。プロモーション効率も上がります。

 しかし、既存商品等に長年使用し又は新たな商品等に拡張していくには、「約束がブレない」ように、商標を管理し活用する必要があります。

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(本写真は、2010年以前に、山手線五反田駅近くのスターバックス店舗で筆者が撮影したものです。
2014年10月時点のスターバックスの商標と一致しない点もありますことお詫びいたします。)

 例えば、「第三の場所」という提供価値が想起される「スターバックス」の商標を、「店員さんのサービスを省いた低価格帯の飲食店」に拡張したらどうでしょう。第三の場所づくりには、店員さんの朗らかで細やかなサービスが不可欠でしょう。それが欠ける飲食店にその商標を使用すると「約束がブレ」て、信用が毀損される可能性があります。

 ところで、最近、コンビニ等で、スターバックスの商標を付したチルドカップ飲料商品を購入できるようになりました。「第三の場所」の提供価値を職場に居ながら享受することが可能になったといえます。コンビニ等でチルドカップ飲料を提供するには、これまでとは異なる価値提供システムを構築する必要があるでしょう。その際は他の事業者との提携で実現することも可能です。「約束」がしっかり定まっていれば、提携相手を探す大きな手がかりとなりますし、何を提供したいかが客観的に明らかだと、異なる事業者同士でも足並みを揃えることが比較的容易です。

 価値あるブランドを構成する商標は、約束がブレない範囲で活用できるだけでなく、約束がブレない範囲が明らかですと、大海原を進む事業者の有効な羅針盤ともなるのです。

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