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「商標を活かすためになすべき7つの基本 (価値向上編)」 その5


 【5】「主体的行動の指針」として商標を利用する
  BLMが考える「商標を活かすためになすべき7つの基本 ―価値向上編―」


 商標は、いわば単なる文字列、記号又は図形等にすぎません。かかる文字列等をブランドとして育てるためには、一定の努力が必要です。
 商標を活かすためになすべき5つ目の基本は、『「主体的行動の指針」として商標を利用する』ということです。

 基本1つ目で、商標のもとで「約束」を定め、「約束と期待」「期待に応える(守る)」というコミュニケーションを経て信頼関係が形成されると述べました。社員又は現場スタッフの主体的行動が許されれば、顧客の期待にもっと細やかに応えることができるでしょう。
 ヤマト運輸の故・小倉昌男さんの言葉をお借りすれば「全員経営」の実現、すなわち「経営の目的や目標を明確にしたうえで、仕事のやり方を細かく規定せずに社員に任せ、自分の仕事を責任をもって遂行してもらうこと」(「経営学」日経BP社)が必要なのだと思います。

逆ピラミッド.png

(上図は『「図表1-13逆さまのプラミッド」(恩蔵直人著「マーケティング」日本経済新聞出版社』を引用。)

 しかし、主体的行動が許されるとしても一定の行動指針がないと、サービスの質が安定せず却って信用を損ないかねません。そこで、商品やその包装・サービスの提供の用に供するモノ・店舗・これらを広告する媒体等に、「商標を適切に表示する」ことで、それらに携わる社員等に手がかりを与え、主体的行動を支援することができます。
 なお、約束の範囲が、人的に実行できる範囲を超えている場合、価値提供システムを構築して、社員等の主体的行動を支援していくのが望ましいです。

 また「商標を適切に表示する」とは、事業者がターゲット顧客と接点をもつ場所で、一貫性ある態様で、商標を表示することを意味します。出会いがなければ何も始まりませんし、一貫性のない商標態様は、顧客の記憶に刻印されないばかりか、信用を損ねかねないからです。

 顧客との接点となる場所と、その場所で表示する商標態様は、商品・サービスの企画・設計等や価格設定の段階で予め決めるべきです。流通やプロモーション段階では、かかる接点となる場所と商標態様についての決まりごとが忠実に守られ、商標が実際に適切に表示されることで商標を行動指針として利用できます。

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