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ブランドを育てる!

「商標を活かすためになすべき7つの基本 (価値向上編)」 その4


 【4】識別力の高い商標を中心に「イメージ」をつくる
  BLMが考える「商標を活かすためになすべき7つの基本 ―価値向上編―」


 商標とブランドは必ずしもイコールではありません。またブランドを構成する商標は複数あり得ます。商標の機能を理解して、商標をブランドに育てていくことが重要です。
 商標を活かすためになすべき4つ目の基本は、『識別力の高い商標を中心に「イメージ」をつくる』ということです。

 まず、商標とすべき要素は、自他の商品・サービス又は事業等の同一性を表示し、他の同種の商品等と区別する「識別機能」を発揮できるものであることが必要です。
 
 例えば商品「リンゴ」に「Apple」の文字を付しても、一般には識別機能は発揮されないと考えられ、顧客はその事業者の「リンゴ」にたどり着けないでしょう。
 他方、商品「コンピュータ」に「Apple」を使用した場合、識別機能が発揮され、コンピュータ・カテゴリの中で識別され、差別化できそうです。なお、識別する対象は商品以外に組織・サービス又は事業等が考えられます。

 また1つのブランドを構成する商標は1又は2以上あります。複数選択した場合、各商標の役割を決めて、約束を顧客の記憶に刻印する努力が必要です。

価値向上編 複数の商標.png

 一般に、基本的要素は、ブランドの名前とこれにデザインを施したロゴタイプ、ブランドを視覚的に印象づけるシンボルマーク等があります。この他、親しみやすい印象を与えるキャラクターや、時代に即した印象を与えるキャッチコピー等が考えられますが、一定期間で役割を終えるもの、イベント等特別の場合に使用するもの等、補強的要素をもつものもあります。ただこれは一般的な話なので、事業者がそれぞれ、どの要素にどのような役割をもたせるかを決める必要があります。

 なお、視覚的要素がコントロールしやすい要素ですが、香りや音や空間等の要素を使って、顧客の五感に訴えていくこともできます。

 以上のように、ブランドの基本的要素となる商標(ブランドの名前等)に、「識別機能」を十分に発揮できる文字や図形等を採用し、これ(ら)を顧客の記憶に深く刻印すれば、ブランドの認知が深まります。また、これ(ら)に種々の情報(他の基本的・補足的要素、その他の要素)をリンクさせ、顧客の記憶の中に豊かな「連想ネットワーク」ができれば、ブランドイメージを作り出せます。


参考:ケビン・レーン ケラー著 恩蔵直人訳、亀井 昭宏訳「戦略的ブランド・マネジメント」(東急エージェンシー)

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