ブランドを育てる!
「おや、こんなところに!」...スタバ青山骨董通り店でコーヒーを飲んで、BLMの事務所に戻るとき、...「青山フラワーマーケット」を発見!...ということでパチリッと写真撮ってみました。
昔は、表参道駅A5出口を降りてすぐのところに、同ブランドの南青山本店がありました。ここ1年程閉まっていたのですが(同店HPによれば、2021年9月より休業)、最近(同HPによれば、2022年4月15日)、骨董通り近くの場所にオープンしたようです。
ちなみに、この場所の一番奥(下記写真の奥の部分)には、「福井のアンテナショップ」があります「あそこね!」と思った方も多いかも?
(2022年4月16日撮影。Photo by BLM)
下記は、ちょっと前の写真。『CITYSHOP』のテラス席の向こうに全面板張りの建物が見えますでしょ? 以前は『ZADIG & VOLTAIRE/ザディグ エ ヴォルテール』のお店があり、ユニークかつカワイイ感じのデザインで、BLMも好きだったのですが、最近閉店して残念。さらに、その奥にはレストランがあってそこも閉店。二店ともけっこう長く営業していたので残念、と思っていたところでした。
(2022年2月6日撮影。Photo by BLM)
そしたら、二つのお店の閉店後、「青山フラワーマーケット」が大きくオープン!という訳ですね。
さて、改めて、「青山フラワーマーケット」ってどんなお店?と調べてみると、ビジネスモデルとしても特筆すべきお店のようです。WEB上では色々情報が検索できます。
運営会社は、南青山5丁目所在の株式会社パーク・コーポレーションで、同社HP(こちら)によれば、1988(昭和63)年12月24日に設立され、当初は、パーティーの企画・運営業務を主たる業務として設立し、翌年には、生花販売業開始とし、商標名は「Aoyama Flower Market」とあるので、この頃に商標権を取得しているのかしら?と、さっそく登録商標を調べてみました。
出願人や権利者を「株式会社パーク・コーポレーション 」として検索してみたところ、登録された商標については、以下のような商標が発見されました。(J-PlatPatはメンテナンス中で有料データベース「JP-NET」から引用)
<商標法上の話>
「青山フラワーマーケット」又は「Aoyama Flower Market」という文字列は、一般には、南青山を拠点とする花屋さんとの関係では、記述的文字なので、自他商品役務の識別力は極めて低く登録性はないと思いますが、図形と文字との組合せであれば登録性は十分出て来ます。出願日が一番早いもの※で、以下を発見。
(※但し、他の会社名又は個人名で出願し、他に登録を得ている可能性もあります。また、もっと早い出願はあったが更新しなかったケース等がありますので、本当に一番早いかは不明確です。)
登録第4142600号(出願日1996/8/5、登録日1998/5/1)
指定商品・役務は、『第31類 木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽』です。
登録第5743125号(出願日2014/9/8、登録日2015/2/20)
指定商品・役務は、『第8類 園芸ばさみ,園芸用移植ごて,園芸用器具(手動式のもの)』、『第21類 植木鉢,じょうろ,花及び植物用の散水器,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,花瓶,食器類,ガラス製又は陶磁製の包装用容器』、及び『第35類 花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供』です。
上記と同じ商標について、さらに指定商品を『第3類 化粧品,せっけん類,室内芳香剤,香料』として、登録第5803381号(出願日は2015年5月27日、登録日は2015年10月30日)があります。花一つとっても、ビジネスは広がりますね。
同社はさらに、花関係で、以下の商標権を取得していますが、いずれも、しっかり活用しているようです。l
登録第4564625号(出願日2000/10/18、登録日2002/4/26)
指定商品は『第31類 生花の花輪,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,種子類』
上記登録商標の活用例は以下のHPで垣間見られます。生活に花を浸透させるといったような取り組みは、コロナ禍でおうち時間が増え、ますます必要なコンセプトでもあると思います。
『https://www.aoyamaflowermarket.com/ext/lifestyle_bouquet.html』
登録第4796226号(出願日2003/12/16、登録日2004/8/20)
指定商品は、第41類 の『技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,‥』等々盛りだくさん。
さらに、近時は以下の出願を行っているようです。
商願2021-158511
指定商品・役務は、第31類の『生花の花輪,生花の花輪・リース,装飾用生花のリース,花束,花,果実,野菜,種子類,...』等、第39類の『花の配達,花及び植栽に関する物品の車両による輸送,花運搬用容器の貸与,荷物の宅配,商品の輸送及び配達...』等、第41類の『技芸・スポーツ又は知識の教授,生け花の教授,フラワーデザインの教授,セミナーの企画・運営又は開催,花の展示イベントの企画・運営又は開催,フラワーデザインに関するセミナー・講演会・講習会・研修会・シンポジウムの企画・運営又は開催,花の研究会の企画・運営または開催,...』等々です。
上記登録商標の活用例は以下のHPで垣間見られます。お花の教室ですね。ライフスタイルブーケのコンセプトも矛盾なく併存、それどころか相乗効果は絶対ありそう。
『https://www.hana-kichi.jp/』
あとは、表参道駅近くにあった時代から、ティールームは有名ですよね。移転先でも飲食店は併設されているようです。以下の登録商標も、ご存知の方も多いですよね!
登録第5523244号(出願日2012/4/2、登録日2012/9/21)
指定商品役務は、第43類 の『紅茶を主とする飲食物の提供』の他、第21類 の『台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),ガラス製又は陶磁製の包装用容器,植木鉢,じょうろ,花瓶』も!
登録商標や、出願商標単体で見るのではなく、その会社さんが、どんな商標を出願し、登録させているか、加えて、どんな商品や役務(サービス)を指定しているかを、おしなべて見ると、その会社さんがやりたいことが見えてくることが多いように思います。
換言すれば、会社さんが持っている登録又は出願商標群から、何らかの強いコンセプトを読み取れる場合は、その会社さんの事業もうまくいっているような気がします。
もっとも、将来の事業展開を知られないように、出願の時期を調整する場合もあるようです。でも、まあ、意匠法と異なり、商標法には登録商標を一定期間秘密にする制度はないので、実務的には、他人の名前で出願して先願権を確保し、登録後移転を受ける、という手段もあるようです。
また、大企業の場合「こんなに商標を登録してどうするの?」という問題もあります。市場で使いたい文字列を登録しておかないと、競合に登録を取られてしまうという事情がありそうです。そうなると、なんだか、商標法実務のあるべき姿ではないようにも思いますが、市場の競争で勝つにはしょうがないのでしょうね。
さて、ちょっと無理やりに今日の結論を述べると、表参道駅周辺には、海外の高級ブランドが立ち並んでいますが、国産ブランドも頑張って!コロナ禍で撤退していく企業も多い中、どんな状況でも、私たちが欲しいものは出てくるのだろうと思うので、それを満たすお店がどんどん活躍して欲しいと思います。
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