取組み・活動

ブランドを育てる!

表参道のブランド「Max Mara(マックスマーラー ) 」のショーウインドウを眺めながら

 本事務所の弁理士でありますワタクシ(以下「BLM」)の事務所から渋谷青山通郵便局に行く途中に、色々店舗があり、ウィンドウショッピングも楽しめます。表参道という土地がら、街に出て、ブランドについて実際に目で見て感じることを書いてみようと思います。

 表参道は、ファッションが素敵な人沢山いらっしゃいます。商標法実務をしているBLMとしては、商標という記号を気にかけるべきですが、例えば、洋服については、素材とか、仕立てとかそういう良さに惹かれます。

 で、骨董通りと青山通りが交差する場所の一角に、Max Mara(マックスマーラー )のブランド店舗があり、いつも素敵だなぁと見ながら通ります。今日も素敵な洋服が並んでいました。写真だと、実際の素材の良さ等を上手く表わせないのですが。詳細は「こちら」の同店舗のHPにてお楽しみください。

2022年2月18日撮影(Photo by BLM)

 ここ数年、特に、表参道から「いいお店だな」と思っていた店舗がなくなることが多いです。色々な理由があるかと思いますが、その理由を想像してみました。別途、BLMが書いているブログの2月17日の記事で、かなり個人的見解として。

 で、そういった中で、この表参道の地に長く続いている店舗の一つとして、『Max Mara(マックスマーラー )』のブランド店舗があります。

 で、さっそくJ-PlatPatで検索してみました。「マークスマーラー」の称呼を生じる商標は、現在のところ一番古い登録としては、以下がありました。右下が該当公報です(商標公報(当時は登録前に発行)より抜粋)。

 現在は権利者は、マツクス マ-ラ- フアツシヨン グル-プ エス ア-ル エルになっていますし、書換申請で新しい商品区分になっていますのでご注意。  

      下矢印

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 さらに注意したいのは、商標公報は登録時に発行されるので、現在の登録商標の状況と合致していない可能性があります。そこで、J-PlatPatの「商標出願・登録情報」を見て戴くとよいと思います。存続期間満了日や現在の権利者等が解ります。正確な情報は登録原簿を取り寄せてみるのが一番よいと思います。実際に商標権の譲渡を受ける等の必要性が出た場合は、特許庁の登録原簿をしっかり見るようにしたいですね。J-PlatPatだけでは危険です。

無題.jpg

 さて、BLMとして、最初に掲載した商標公報の権利者「株式会社三紫」が気になります。どのような企業さんなんでしょう? WEB上検索しても余り出てきませんが、少し粘って検索したところ、以下のブログが見つかりました。引用させていただきます。ご興味ある方は原本(下記ブログ)に当たってください。以下。

タイトル『「業際」を超え・「域際」を超え・「世代の際」を超えて!

   ↓
2006年10月25日 の記事から引用させて戴きます(『』内引用。)

 上記ブログには、『...40年代後半の会社設立から変わらず、ワンコンセプトを守りつづけている、伊太利屋がそれにあたると思います。トレンドを表現することがファッションとすれば、伊太利屋は特異なブランドといえます。』といった感じで、『伊太利屋』ブランドに関する記載(伊太利屋のホームページ)です。そして『創業以来変わらないブランド(企業)は、ファッション業界では珍しいと思います。 伊太利屋の菊池社長について、私は強い印象を持っています。』といった感じで社長さんに言及しています。

                                 

 そういった記載の文脈の中で、『昭和40年代に、三紫グループという婦人既製服の会社が東京にありました。菊池社長は、その三紫のボトムのMDだったと記憶しています。』との記載が大変参考になります。

                                

 もう少し引用させていただくと『三紫グループは、三紫シメオン、カーメットなど、最初にディビジョン制を取り入れ、三紫の会社はなくなりましたがその後のマンションメーカーからDCアパレル時代へと人的に大きく影響を残しました。 菊池社長は、ミニスカートが大流行した昭和40年代に、次々ヒット商品を生み出す、三紫カーメットの敏腕MDでした。 』との記載が大変参考になります。

                                 
 さらに別の『パタンナースクールはアパレルジョブテクニックアカデミー(株式会社我望)』ホームページを引用させていただくと、パタンナー講師として、複数の先生方のご出身として、『(株)三紫』という名称が出てきます。

                                 

 そうすると、どうもこの株式会社三紫という会社、ファッションの業界では、素晴らしい人材を輩出していた会社さんだったのではないかと想像します。なぜこの株式会社三紫が出願人になっているのか、と疑問に思う方も多いかもしれませんが、例えば、マックスマーラーとの関係では、当時の日本における総代理店だった等が考えられます。日本に事業展開するに辺り、他人に権利を取られてしまっては一大事です。従って、事前にマックスマーラー本社に了承を得てからだとは思いますが、自社の名前で出願するということはありだと思います。

                                 

 但し、海外で既に周知商標である場合は、出願人がなんらその周知商標の出所と関係がない場合に、我国で出願する場合は未登録周知商標の保護を理由に拒絶される等問題がありますので、あくまで、周知性まで認められないような発展途上のブランドに関して可能なのかもしれません。

                               

 BLMとしては、毎度思うのですが、海外で周知著名なブランドが、日本で成功する背景には、日本企業の尽力があるように思います。日本企業のインセンティブを損なわれることのない商標権の取得や、使用許諾の在り方が模索されるのがよいように思います。

                                 

 一方、日本企業が関わっている場合でも、単にそのブランドの著名性に頼るだけではうまくいかないように思います。色々な事情があると思いますが、表参道にいると、著名ブランド、日本に初上陸!と宣伝され店舗ができても1、2年で撤退してしまうケースもあるように思います。

                                 

 上記のような「株式会社三紫」の話含め、表参道界隈の話は、ファッション業界では専門誌等で研究されている可能性がありますね。一方、知財業界では、近時は、「ファッション・ロー」なんて分野ができていますが、こういった日本の歴史を踏まえて研究されていくと面白いですね。

 「Max Mara(マックスマーラー )」 のブランドの価値の源泉は、当然本国イタリアの本社にあるのでしょうが、素人目でも、仕立てがいいなぁ〜、素材が良さそう〜なんて思える商品は、日本の有名無名の優れた人材によって支えられているような気がします。そんなブランドが、表参道の街にずっとあると街の魅力は増しますね。

by BLM

本日の記載は「こちら」を抜粋・修正して書きました。

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